中学生の時に転校してきたA子ちゃんのお話。
鹿児島から転校して来たA子ちゃんは
ちょっとフワフワした不思議ちゃんだった。
自分の世界に浸れる子と言いましょうか…
私はそんなA子ちゃんの持つ不思議な魅力に多少憧れがあった。今思えば…
ある日の放課後
A子ちゃんが不思議な事を言い出した。
『私の部屋に小さな宇宙人が遊びに来る』
と、それを聞いてみんな爆笑したが、A子ちゃんは至って真面目な顔で
『本当だよ。呼べるのアタシ』
誰か一人が
『じゃ泊まりに行けば私達も見れるわけ?』
するとA子ちゃん
『会えるよ』
と真顔で返す。
日程を決めて半ばお泊まり会さながらお菓子やジュースを買い込み4人でA子ちゃん宅へ
お母さんもちょっとフワフワした感じで
よく似た親子って感じ
全体的にのんびりした家庭だった。
楽しく食事したり雑談しながら時間は瞬く間に過ぎていった。
夜中も0時を回ろうとする頃には一人また一人と眠りに就いていく。
私はと言うと気になって仕方なく全く眠れずにいた。
どれくらい経っただろう
ふいにA子ちゃんが布団から抜け出てきた。
部屋は戸建ての2階その自室の窓をソーッと10センチ程開けて何か凄く小さな声で話をしている。
時折、小さな笑い声を出したりなんかして
するとクルッと振り返り
小走りで自室のドアをまた10センチ程開けた。
そしてそのドアをジッーと見つめている。
堪らず私が
『何してるの?』
と声を掛けると少し驚いたように目をパチパチさせたA子ちゃんが
『シッ!ほら小さな宇宙人が遊びに来てるの今』
と…
私には何も見えないのだけど
A子ちゃんには本当に見えてるようで私にココとドアを指差して
『可愛いよね?』
私は指差す方を見ると
何やら小さなものが動いている。
目を凝らして見ると
そこには
小さな赤や緑色をし手にはトントン太鼓や木の枝を持った
小さな鬼がいた。
それも5匹。
15センチ程の背丈で角や牙もあり裸足で腰巻きをしているのだ。
その鬼が楽しそうにトントン太鼓や木の枝を振り躍りながら部屋に戻って来たかと思うと開けっぱなしの窓から出て行った。
私は不思議と怖い感覚はなく
確かにA子ちゃんが言うように可愛いとさえ思えた。
A子ちゃんは私に
『梅ちゃんも見えたんだね。あれ絶対宇宙人だよね。フフフ』
と微笑むが
私には宇宙人には見えなかった。
本当に不思議な体験で、翌朝他の友人は羨ましがったり、怪しんだりしていたが
それはそれで楽しい思い出に
なるはずでした。
帰宅し祖母にこの話を面白いおかしく聞かせると
『それ、天の邪鬼だよ。邪鬼そして餓鬼、見る人によって見え方が変わるんだよ。あんたの友達ちょっと危ないね。魅入られてる。悪いことが起きなきゃいいけどねぇ…こればっかりはどうしてもあげらないねぇ、、、』
そううちの祖母は話してくれた。
うちの祖母にはちょっと不思議な力があった。幽霊や妖怪から度々私を助けてくれる猛者である。
こんな事があった数ヵ月後
A子ちゃんの自宅が火事になり家族で熊本へと引越をしていった。
あの小さな鬼と関係あるのかはわからないままだけど
身近に妖怪はいるんだなと再確認した体験になった。
妖怪はちょっとした人間の心や欲に集まってくる事があるそうですよ。
魅いられる事がありませんように…