拝復 茂夫・千恵子よりの御手紙嬉しく拝見致しました。愈々新しき発足も間近く其の意気其の元気で頑張って下さい。
こちらはその後極めて元気で毎日猛訓練に邁進致しておりますから御安心下さい。何と言っても敵米英の必死の反抗に対し、我等日本人も必死の戦いをせねば、皇土を万代の安きに置くことは出来ません。
昔の神風は人事を尽くして天命を待つの賜物(たまもの)ですが、今亦果たして必ず皇土を守る神風があるか、勿論神国日本には、必ずあると思いますが、それは人事を尽くしての上の事です。
今の有様を反省して、もうこれ以上出来ないと言う域に達して居りましょうか。日本人の一人一人がくたくたになるまで努めなければ、この戦いに勝ち抜くことは出来ません。
日本人はまだまだ余力があると思います。その余力がなくなる迄、頑張らなければならぬ時です。今や敵は間近に我が本土を窺わんとしております。今こそ立つべき時です。
茂夫も千恵子も、今こその意気に燃えて本分に邁進して下さい。
では、父上、母上、姉上に宜しく伝えて下さい。体に注意して益々奮闘せられんことを祈ります。
兄より
3月5日 茂 夫・千恵子 殿
第1回桜花特攻・神雷隊。昭和20年1月12日、南西諸島方面にて戦死。22才