決行期日に至る。搭乗員4名とも元気旺盛。アプラ港を震駭せしめんとす。月淡く星影疎らにして1月初旬の大宮島(グァム)眠れるが如き姿態を浮かぶ。誰か知る数刻後の大混乱を。
大君の御為、命の儘にわれ等は来るべき所に来たり。
人生20有2年唯夢の如し。生の意義を本日一日にかけ、日米決戦の一奇鋒として頽勢一挙に挽回、もって帝国三千年の光輝ある歴史を永遠に守護せんとす。大日本は神国なり。神州不滅、われらが後には幾千万の健児ありて、皇国防衛に身を捧げん。
いざ征かむ人界の俗塵を振り払い、悠久に輝く大義の天地へ!
出発4時間前記す。
〝天てらす神の御末の弥栄(いやさか)を
拝みまつり花は散りゆく太平洋〟
回天特攻・金剛隊。昭和20年1月12日、グァム島海域にて戦死。22才