田中公三 海軍少尉【特攻隊】

世に生を享けて20有余年、この間に於ける御両親様並びに親戚の皆々様、又町の皆様には数々御世話になりました。
厚く御礼申し上げます。皇国は正に未曾有の岐路に臨んでいます。敵米英は物量を頼み地図の上から世界史の上から大日本帝国を謀殺せんとしています。
実に悠久三千年の歴史を持つ大和民族の興亡はこの大東亜戦争に懸っています。この時不肖私は海軍戦闘機搭乗員として激戦に参加出来るのです。
何たる幸福何たる栄誉でしょう。只体当たりをと訓練を積んで来ました。永い訓練も唯体当たりの一瞬を生かさむが為でした。私は皇国の弥栄(いやさか)と大和民族の繁栄の為に嬉々として死に就きます。私は御先祖様の所に行って御国(みくに)の御報告を致しましょう。
祖父様を初め御先祖様も必ず私の殉国をお褒めになるでしょう。「これで田中家も益々栄える」と。

弟・妹達へ、 愈々兄と別れなければならぬ。先日帰った時言った通りになった。お前達も幼き時から母に別れ相当苦労して来たが、最早大人となり兄も安心している。今後は一層父の言えつけを守り我が家を立派に守ってゆくように願う。弟も入隊が近づいて来た事と思うが入隊したら一生懸命に御奉公せよ。妹達も父の言いつけを守り、将来立派な女性になる本分を尽くせ。何れ小生の事は解るだろう。

 辞世

 空征かば 雲染む屍大君の

     御楯となりて 我は行くらむ

 父上様

 小生が死んでも泣かないで下さい。喜んで下さい。これが小生の望むところです。飛行機乗りの最も光栄とするところですから。

 部落の皆様へ

 永らく御無沙汰致しました。其の後皆々様には御壮健にて、銃後の増産にお励みの事と存じます。重ねて永らく御世話様になりました。部落の皆々様の暖かい心に感激致しております。今後とも父を始め、弟・妹達が御世話様になることと存じますから、どうぞ宜しくお願い致します。

神風特攻、第2七生隊。昭和20年4月12日、南西諸島にて戦死。23才

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