「草枕」夏目漱石
一 山路を登りながら、こう考えた。 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。 住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくい […]
一 山路を登りながら、こう考えた。 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。 住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくい […]
どっどど どどうど どどうど どどう 青いくるみも吹きとばせ すっぱいかりんも吹きとばせ どっどど どどうど どどうど どどう 谷川の岸に小さな学校がありました。 教室はたった一つでしたが生徒は三 […]
最後の通信 前略 11月の始め松山から大分へ基地を移動しました。○月○日を 期して南方第一線に出撃致します。もとより生還は期していません。もしもの時はよくやってくれたと褒めて下さい。 松山では戦闘機隊 […]
天恩・地恩・父母の恩・師の恩・友の恩、雅夫は実に幸福な25年を過ごしてきました。感謝の裡に散り得ることを実に幸福に思い、唯御国の為立派な死に方をしたい気持ち。 新春というのに飛ぶホタルを見つつ、微笑を […]
御葉書拝見致す事ができました。沖縄の敵撃滅に出撃しましたので、遺髪・遺書等友人に託して、持ち物も殆ど人にやって出ました。それが種々の関係で生きて帰ってしまいましたので、一寸困っています。 お母様の所 […]
拝啓 御手紙拝見有り難う御座いました。 坂本竜馬氏大西郷を評して曰く「彼は大鐘のような男だ。大きく打てば大きく響き、小さく打てば小さく響く」と。最近漸くこの言葉の意味が判ってきました。僕が海軍予備航空 […]
先日わざわざ来て下され有り難う存じます。 いよいよ戦争も大事。 本土にも火が付き私達もじっとして居れません。多分近い将来命令も下ると存じますが、或いはこの手紙の着く頃進撃の命令が出るかも知れない程身近 […]
拝啓 其の後父母様にはお変わり有りませんか?小生御父母様を初め皆様には御世話ばかり御かけ致しまして、今更になって言っても始まりませんが、何一つ皆様に対する、親に対する孝行もせず、親を親とも思わないよう […]
雪渡り その一(小狐の紺三郎) 雪がすっかり凍って大理石よりも堅くなり、空も冷たい滑らかな青い石の板で出来ているらしいのです。 「堅雪かんこ、しみ雪しんこ。」 お日様がまっ白に燃えて百合の匂を撒き […]
知らない番号から電話が来て おばさんの声で「鈴木さん(仮名)?」って聞かれた。 でも自分は田中(仮名)。 いいえ違いますって答えたら「じゃあ誰?」って言われて びっくりしたし少しイラッときたから 誰っ […]